今日のデイケア⑧吃音と書痙について
【吃音とは】
吃音とは会話などの最中にどもってしまうことを言います。
例 、わ、わわたしは。
ありが、ありが、ありがとうございました。
このように発音しようとするとどもってしまう、という症状が伴うのが吃音になります。
吃音の症状の出方にもいろんなパターンがあり、この言葉を発しようとすると吃音が出るとある程度言葉によって吃音が予測できる方もいれば、何の前触れもなく突然出る方など様々な症状の出かたがあります。
吃音の原因についてはまだ解明されていません。
【対処法】
吃音の言葉が予測できる方の場合
●言葉の前に一拍置く。
こちらはある程度吃音が出る言葉が予測できる方の対処法で、ありがとうと言おうとすると、「あり、ありありが、ありがとうございました。」の様になってしまうそうで、どうもありがとうございました。と「どうも」と一拍置くことで吃音の症状が緩和されたそうです。
吃音の出方が予測できない場合
●あまり気にしすぎない様にする
吃音がいつ出るかわからない、突然出るなどの症状を持つ方は対処のしようがないので症状自体はあまり気にしない様にするとの事でした。
●周囲に予め理解を求めて置く
吃音の症状があると、周りに変に思われていないかなど心配になる方は多いと思います。
従って、ある程度普段会話する方(家族や友達)にはあらかじめ理解求めて置くことで少し楽になるのではないかという事でした。
【書痙について】
書痙とは字を書く時に手が震えてしまう症状を伴います。
人前で書く時に震えが伴うのもそうなのですが、人前ではなく家などでは震えないのかと言うと、そうではなく家で書くときも震える症状が伴う場合が多くあります。
今回参加されたNさんは人前だと特に震え、家にいる時の方が多少は震えが少なくなるとの事でした
また人前で書くときの心理状況として、手が震えてるのを変に思われたくない、や字が変だとと思われたくないという意識が伴うと仰っていました。
↑Nさんが書いてくださった字
※ブログへの写真のアップ了承を得ています。
見て頂けるとわかるかもしれませんが、Nさんの場合、星やまる、顔文字などを書くときは震えは起こらず、文字を書くときのみに症状が出てしまうとのことでした。
またNさん自身の体験談で、受領印を書く時に、何とも芸術的な字だねと、皮肉を言われてしまい、傷ついた経験があると話してくれました。
それ以来症状が悪化してしまったそうで、冬であれば人前で字を書かなければいけない時(携帯ショップなど)は「寒くて手が震えてしまってすみません」などと対処をする様にしているそうです。
様々なお話を聞いていると、とてもこの症状で苦労されて来たんだなということが伝わって来ました。
また字を書く時に手が震えるという症状以外にも発汗や動悸を伴う場合もあるそうで、Nさんの場合は手に汗をかいてしまうとおっしゃっていました。
【原因について】
書痙の原因は過度な緊張や対人恐怖が原因などと言われています。
周囲の視線が気になってしまったり、過去の嫌な記憶がひっかかってしまったなど様々だそうです。
また字を書く時に震えるという症状は心身症から来るものに限らず、パーキンソン病や小脳疾患、本態性震戦やジストニアなどの可能性もあるので病院の先生に症状を話し必要であれば検査するのがベストかと思います。
今回は神経症からくる書痙についてお話させて頂きましたが、甲状腺機能亢進症や本態性振戦などで震える場合も書痙と表現される場合もあるそうです。
書痙に関しての情報があればまた後日記載したいと思います。