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鈍重肝臓について

こんにちは。

皆さんは鈍重肝臓という言葉を聞いたことはありますでしょうか。

肝心要という言葉があるように、肝はとても大切で、文字道理心とも大きく関係しています。

 

肝炎などでインターフェロン治療をし、薬物により肝臓に負担がかかりすぎてしまい、鬱になったなどの話をよく耳にします。

 

さて鈍重肝臓について甲田光雄先生の「心身症治療のコツ」という本に沿ってお話していきたいと思います。

 

※この本は甲田先生がまだ生きておられたときの物なので、何十年も前の本です。したがって、病気に対する理解や病名なども現在のように多くなかったようで言い回しなど聞きなれないかもしれませんがご容赦下さい。

 

 

【鈍重肝臓について】

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鈍重肝臓とは、甲田光雄先生が使っている言葉で、食べすぎや運動不足、ストレスによって、疲れきってしまった肝臓の状態を指します。

 

この鈍重肝臓になるとノイローゼ自律神経失調症の原因につながってくると甲田先生は仰っています。

 

●鈍重肝臓の自己診断法 (心身症治療のコツ40p~)

 

①しんどい疲れたという言葉を連発する。

②食後の居眠り

③寒がり一番暑がり一番になる

④記憶力の減退

⑤物事を悲観的にとらえる

⑥癇癪玉の爆発

 

 

これらの症状があるなら肝臓が弱ってきている証拠です。

 

検査をしても数値に異常が見つかるわけではなく断食をすることによりGOTなどの数値が上がってくるそうです(後ほど記載)

 

 鈍重肝臓になる原因(p48参照)

 

①飽食

②暖衣(厚着)

③安佚(運動不足)

④有害飲食品

⑤精神的ストレス

 

 

特に添加物に関しては毎日約11グラム摂取しているといわれており、年間でおよそ4キロに及ぶそうです。

 

肝臓に負担がかかるのもうなずけますよね。

 

イギリスにはこんな諺があるそうです。

人生は生き甲斐があるか?それは肝臓しだいだ」is life worth living?that depends upon the liver

 

肝心要という言葉に引き続き海外でもこのように肝臓は重要視されているのですね。

 

【鈍重肝臓で心身症扱いされたAさんの体験談】

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Aさんは小さいころから活発な性格で一食にご飯を二杯も三杯も食べる事が普通で、さらにはお饅頭や甘いお菓子が大好きで山ほど食べていました。

 

そんな生活を続けていると24歳になるころには非常に疲れやすくなり、体がだるく、なにをやっても根気が続かなくなってしまいます。

 

そのような体調が続いたある日、突然天井がぐるぐると回り始め、吐き気、動悸、息切れ、心臓部に圧迫感があり、顔は真っ青になり救急病院に駆け込みました。

 

原因を探るべく、数か月の間に5、6件病院を回るも異常が見つかりませんでした。

(俗に現代で言う自律神経失調症ですね。)

 

日に日に体調は悪くなっていき、ノイローゼ寸前で人前で話したり歌ったりなどすると動悸がひどくできるものではありませんでした

 

また目もしょぼしょぼし、たばこの煙が入ったかのように開けていられず頭痛も頭を起こしていられないような頭痛でまるでざるをかぶったかのように重い症状がありました

 

(現代なら何らかの精神的な病名あるいは神経症としての病名が付くかと思いますが、昔は認知が少なかったため、ばかにされたり、相手にされないことが多かったみたいです。)

 

そんな症状がありながらも甲田光雄先生と巡り合うことができ入院して治療を開始することになります。

 

まずは玄米菜食で減食しそのあとすまし汁断食を計15日ほどすると、今まで正常だった肝機能に異常が出ました。(好転反応)

 

鈍重肝臓の多くの方は断食や小食にすることで、好転反応として肝機能に異常が出るそうで、やはり異常があったのかと内心ほっとしました。

 

またすまし断食中には動悸息切れ圧迫感が強くなり二時間しか寝れない事もありましたが茶碗一杯ほどの宿便が出て、今では頑固に続いていた動悸が少しあるものの、背中の張りも凝りもなく、頭痛もすることがなくなり、その他症状もほとんど取れました

 

食事療法や断食療法をする前と比べて見違えるほど元気になりました

(※この体験談は要約してあります)

 

このように自律神経失調症の方が鈍重肝臓と言われ、マイナス栄養に基づく食事療法や断食療法をすることで、劇的に改善したそうです。

 

かくいう私も、この本を読んでいる時、重度の自律神経失調症で鬱やその他精神疾患を患っていたのですが、断食や小食を通してこの体験者の方と同じような体験を私もしました。(後ほど記載します)

 

 

 

【鈍重肝臓の治し方】(p57参照)

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①まず肝臓に休養を与える事。

 

鈍重肝臓を治すにはまず食事の量を減らし肝臓に休養を与えてあげることが大切だそうです。

 

どの程度食事の量を減らせばよいのかについてですが、甲田先生はこのようなメニューを紹介しています。

 

1、朝食  生野菜(数種類)の汁一合

 

2、昼食  玄米百グラムを飯または粥にして食べる

      豆腐二分の一丁

      すりごま10グラム

 

3、夕食  昼食に同じ

 

 

これで総カロリー1200キロカロリーです。

 

私もこのメニューで養生していましたが、かなり厳しいメニューです。

 

この食事法を始めると脱力間やふらつきが出てきますがそれは病気回復のための反応症状だそうです。(好転反応)

多くの人は脱力感は食べていないから感じるもので、病院などに行くと、「栄養失調で倒れてしまいますよ」と先生に言われ挫折していくそうですが、甲田先生曰く、一か月と続けていれば体が急に楽になることでしょうとおっしゃっています。

 

また、断食や小食を続けていると肝臓のGOTやビリルビンなどの数値が異常に高くなることがあるそうで、それは今まで酷使していたため、デトックス反応として出ているそうです。

 

 

【鈍重肝臓を疑い食養をした私の体験談】

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私もひどい自律神経失調症で精神疾患も多く持っており、この本を読んで似たような体験をされている方が良くなられていたので挑戦してみることにしました。

 

まずは上記のメニュー(ここには載せていませんが上記の物より少ないカロリーのもの)を守り、半日断食を続けました。

 

一週間もするうちに動悸や息苦しさなど症状が軽減され始め効果を感じることが出来ました。

これは良いと感じ断食を三日、一日、一日と間をあけて行うと、体験者と同じように回復の兆しがみえ、一か月たつ頃には大分体調も良くなっていました。

 

一か月とは言いましたが断食とその他食事療法はさらに一か月前から行っていました。

 

肝機能のほうもビリルビンやGOTの値が少しだけ高くなり、断食をしていたのに中性脂肪が高くなるなどの現象も起きました。

 

きっと私も肝臓が弱っていたのだと思います。

 

この食養をしてみて感じたことは、とにかく厳しい。。。

厳しいしおなかが減るしで大変でした。

 

この後どの程度なら体調を整えつつ食べる事ができるか実験したところ、朝を抜き、食べ過ぎない程度であれば普通の食事をとっても徐々に体調は整っていきました。

 

おそらくいきなりこの食事法をはじめても多くの方が挫折すると思います。

自分が食べても体調を損なわず健康になれる量を少しずつ模索していくと良いと思います。

 

断食も薬を飲んでいたり特定の疾患を持っているとできないので知識なしに行うと非常に危険ですので注意が必要です。(私は無理をしすぎて摂食障害にかかりました)

 

断食に関してはこちらにまとめてあるので参考にしてみて下さい。

 

断食療法は精神疾患に効果的だったがリスクもある - 自律神経失調症体験談

 

とはいえ正しく無理をせず行えるのならば非常に効果があると思います。

 

【終わりに】

 

「心身症治療のコツ。慢性疲労症候群も治る」の本に沿ってお話させて頂きました。

 

この本は様々な病気の方が食養をして改善するまでの過程が書かれているの同じような病気を持つ方(自律神経失調症や鬱、慢性疲労症候群)が読まれたら非常に励みになると思います。

絶版の本なのでお値段は少し高く私も当時6000円ほどで購入しました。

しかしそれ以上の価値がある本だと私は感じました。

 

リンクを貼っておきますが、図書館であるところはあると思うので借りるのも一つの手だと思います。

 

 

また西式甲田療法について知りたい方はこの二つの本がお勧めです。

 

 

 

私自身甲田先生の本を何十冊と読みましたが、最初に読むならこの本が一番わかりやすく書いてあると思います。

 

様々な病気の記載がある中で今回は鈍重肝臓に絞ってお話させて頂きました。

 肝臓と精神疾患の関係はこちらの論文にも述べられています。

参考にしてみて下さい。

 

肝疾患と精神疾患との関連

 

 

症状精神病‐精神神経学雑誌‐日本精神神経学会

 

 

 また機会があればこの本や論文にそってもう少し詳しくお話できればと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。